長引く夫の無視は自尊心を傷つける精神的支配です。相手を変えようとするのをやめ、自分軸を取り戻すことで機嫌に振り回されない生活を手に入れましょう。心の境界線を引き、自分の人生のハンドルを握り直すための解決策を解説します。
夫の無視は、暴言よりつらい?
夫から暴力を振るわれているわけでも暴言を吐かれるわけでもないけれど、
夫からの無視がつらい…というご相談は多いです。
・夫婦喧嘩のあと、いつものように「おはよう」と声をかけても返事をしない。
・必要なことを尋ねても答えない。
・まるで自分が存在していないかのように、目も合わさない。
それが一日や二日ではなく、一か月、二か月と続くことがあります。
長いケースでは、同じ家に暮らしながら年単位でほとんど会話がない…そんな話も珍しくありません。
家庭という狭い空間の中で、自分だけが存在しないもののように扱われ続ける。
これは、想像以上に人の心を傷つけます。
言葉で罵られなくても、「あなたとは話したくない」「あなたの存在を認めない」という態度を毎日受け続ければ、自尊心はどうなるでしょうか?
しかも、さらに苦しいのは、いつ終わるのかわからないことです。
ある日突然、夫が普通に話し始めることがあります。
妻は「ああ、やっと元に戻った」と安心する。
しばらく平穏に暮らしていると、何か夫の気に入らないことが起こり、また突然、無視が始まるのです。
「今度は、いつ話してくれるようになるのか?」
今日なのか、一週間後なのか、一か月後なのか。
それを決めるのは夫で、妻にはわかりません。
こうなると、妻の心は夫の機嫌を中心に回り始めてしまいます。
これを言ったらまた無視になるのか?と考え、
怒らせないように、本音を隠さなければなりません。
家庭はもう、妻にとって安心できる場所ではなくなってしまうのです。
身体的暴力や激しい暴言とは形が違っても、長期間の無視によって強い不安や孤立感は深まって行きます。
自尊心が傷つくという意味において、
もはやDVと言ってもよい状況なのではないでしょうか?
長年夫に無視されて来た妻の中には、時として
「モラハラされている奥さんが羨ましい。暴言でも話してくれる夫の方がまだいい」
とおっしゃる人がいるほどです。
無視する夫の心理
では、なぜ夫は無視を続けるのでしょうか。
もちろん、すべての夫が同じ心理で無視するわけではありません。
けれど、長期間無視を続ける人には、自分の感情を言葉で扱えないという問題が、隠れていることは共通していると思います。
「自分は傷ついた」
「嫌な思いをした」
「腹が立っている」
「許せない」
本来なら、こうした感情を言葉にして相手に伝えればいいところです。
ところが、それができないで、
無視という方法を使って、自分の傷つきや怒りを表現しているのです。
無視している本人の中では、
「こんなに嫌な思いをした自分の気持ちをわからせたい」
という感覚もあるのかもしれません。
さらに、無視にはもう一つ厄介なのは、
無視する側が、関係の主導権を握りやすくなることです。
妻が話しかける。
夫は答えない。
妻が謝る。
それでも答えない。
妻が「どうしたら話してくれるの?」と尋ねても、まだ答えない。
こうなると、いつの間にか妻だけが夫を追いかける関係になります。
夫は、自分が優位に立っているような感覚を持つことさえあります。
でも、本当は
「これ以上傷つきたくない」
「負けたくない」
「自分を守りたい」
そんな防御が隠れているのです。
夫が自分を守るために、無視をしているという視点は、大切かもしれません。
なぜなら、妻が
「もう無視しないで」
と何度お願いしても、それだけで解決しない理由が見えて来るからです。
無視は、あくまで、夫自身の感情処理の問題なのです。
夫の無視をやめさせるより、自分を整える。
夫に無視されている妻が、まず考えてほしいのは
「どうしたら夫がまた話してくれるだろう」
ではありません。
「どうしたら私は、夫の無視に怯えずに暮らせるか」
そこに集中していかなければならないと思います。
無視しているのは夫です。
夫が自分の感情を処理するために、無視という方法を選んでいるのを、究極、他人は止められません。
もちろん、夫婦ですから、自分に改善するべきことがあれば振り返ることは必要です。
でも、真摯に謝ったにも関わらず、夫が何週間も何か月も無視を続けることまで、妻にはどうすることもできませんよね。
夫の機嫌を取るために自分を小さくし続けて、良いことはありません。
「私がもっといい妻になれば話してくれるかもしれない」と、自分を追い込むほど、
妻の人生は夫の機嫌がすべてのように見えて来てしまいます。
そして無視している夫も、無視することで主導権を握る感覚が癖になって行きます。
これでは、健全な夫婦のコミュニケーションとは言えないですよね。
そんな時こそ、やらなければならないのは、妻が自分の人生のハンドルを自分で握ること。
夫が機嫌が悪くても、自分は普通に笑顔でいられる生活を送れる自分軸を育てることが大事なのです。
よく眠れるように生活を整えてください。
仕事や友人、あなたを尊重し信頼してくれる人とのつながりも
忘れないでください。
夫が話すか話さないかとは別に、自分の日常を健康的に、
明るく過ごす。
無視されているときほど、こうしたことが大切になります。
「どうしたら夫が話してくれますか」
という質問を本当によく聞きますが、
相手を変えようとし続けるほどあなたは苦しくなるでしょう。
特に無視は、終わらせるタイミングを相手に握らせてしまいやすいのです。
夫の心は、夫のものです。
そして、
あなたの心は、あなたのものです。
その境界線を取り戻すところから、夫の無視に振り回されない人生は始まります。
振り回されなくなった時、初めて夫と対等な話ができる関係になります。
無視による支配のない、新しい未来が見えて来ます。

