夫に暴力を振るわれたら?離婚を今すぐ決めなくていい理由

コラム

夫から暴力を振るわれ、離婚すべきか悩むあなたへ。今すぐ答えを出さなくて大丈夫です。身の安全を最優先にし、今後の選択を冷静に考えるための判断基準と心の守り方をカウンセラーがお伝えします。

このページに辿り着いたということは、もしかしたら、夫に暴力を振るわれて、今、混乱しているのかもしれませんね。

怖い。悲しい。腹が立つ。
それでも夫をどこかで信じたい。
離婚したいのかどうか、自分でもわからない。

いろいろな感情が一度に押し寄せて、頭の中がパニックになっているかもしれません。

そんな時、SNSの掲示板などに心情を呟くと、

「今すぐ証拠写真を撮って」
「すぐ警察を呼んで」
「早く逃げて、離婚した方がいい」

というコメントが、山のようにつくことがあります。

チャッピーなどのAIに相談しても、まず警察や公的DV相談機関に繋がることを勧められるでしょう。

もちろん、それが必要なケースはあります。命の危険がある時は、離れることを躊躇してはいけません。

けれど、今のあなたが知りたいのは、
「離婚すべきか?」
という結論だけではなく、

「私は今、どうしたらいいの?」
「夫婦のすべてを終わらせなければならないの?」
「それでも夫を切り捨てられない私は、おかしいの?」

ということではないでしょうか。

私は、夫から命の危険を感じるほどの暴力を受け、五年間の別居を経験しました。

それでも、現在は夫婦関係を修復しています。

また、カウンセラーとして12年以上、夫婦間の暴力に関するご相談を受けてきました。

その経験から、私は
暴力があったからといって、今日、離婚を決めなくてもいいとお伝えしたいと思います。

夫に暴力を振るわれた直後は、離婚より先に身の安全を守る

まず、今も夫が興奮しているなら、話し合いを続けないでください。

正しさを証明することより、今はそこから離れることが最優先です。

特に、

  • 首を絞められた
  • 刃物や凶器を出された
  • 「殺す」「死ね」と脅された
  • 頭や顔を強く殴られた
  • 逃げようとするのを妨害された
  • 暴力が繰り返され、激しくなっている
  • 子どもにも危険が及んでいる

という場合は、「一度だけだから」と様子を見ず、実家やビジネスホテルなど安全な場所へ離れてください。

これは、今すぐ離婚するためではありません。
明日の自分が、今日の出来事を正確に判断できるようにするためです。

そこまでではない暴力、
壁を殴って穴を空けた、ものを投げた、などの暴力の場合は、とりあえず、同じ部屋から出て距離を取って、様子を見てください。

お互いに冷静になる時間が、もっとも大切です。

暴力を受けた妻は悪くない

夫が激昂した時、

「殴れるものなら殴ってみなさいよ」
「話はまだ終わってない!」
「逃げるな!」

と追いかけたくなることがあります。私にも、経験があります。

話の途中で逃げられた気がする。
こちらの苦しみを、どうしてもわからせたくなること、ありますよね。

けれど、相手が興奮している時に追い詰めると、状況がさらに危険になります。

相手が興奮している時は、離れるのが正解です。

これは「あなたが夫を怒らせたから殴られた」という意味ではありません。
どれほど激しい夫婦喧嘩であっても、手を出さない責任は夫にあります。

一方で、暴力を振るったことだけに注目しすぎると、
その夫婦に本当に必要な対応が見えなくなることもあるのです。

ここはまず落ち着いて。
相手を責めることも、自分を責めることも一旦保留にしましょう。

離婚を決める前に、するべきこと。

暴力を振るわれた直後に、これからの人生の方向を、決められなくて当然です。

人は強いショックを受けると、考えがまとまらなくなります。人の意見にも流されやすくなります。

ですから、今すぐ離婚するか修復するかを決めなくてもいいのです。

気持ちが落ち着いたら、次の行動を慎重に見てください。

1.夫は暴力を認めているか

「お前が怒らせたからだ」
「大したことはしていない」
「夫婦喧嘩なんだから、お互いさまだ」

このように責任を妻へ返すなら、問題は続きやすくなります。

本当に反省している人は、

「何があっても手を出した自分が悪かった」
と、自分の責任として認めます。

2.具体的な再発防止策を取るか

謝る、泣く、プレゼントを買って来てご機嫌取りをして来るだけでは、再発防止にはなりません。

興奮したらその場を離れるルールを決め、飲酒が関係するなら飲酒問題に向き合うことも考えなければなりません。
アルコール依存の治療や、怒りやストレスへの対処を学ぶ、というような
行動が伴って来るかもポイントになります。

3.妻が距離を取る権利を認めるか

「もう謝っただろう」
「いつまで怒っているんだ」
「誰にも言うな」

と、早く元どおりになることを求めるなら、それは反省というより、自分の不都合を消したいだけかもしれません。

4.一人で判断しない

相談することは、大切です。
ただし、相談相手は選ばなければりません。
親や義理の親は特に私情が入り、問題が複雑化してしまう可能性があるので、できるならば避けましょう。兄弟姉妹や親友も、感情的なアドバイスになりがちなので、注意が必要です。

「そんな夫、今すぐ捨てなさい」と結論を急がせられたり、
「男なんてそんなもの。あなたも怒らせないようにね」と我慢させる人にも、
あなたの人生を委ねてはいけません。

安全を軽く扱わず、それでもあなたの気持ちと選択を尊重されることが重要です。

暴力を受けたのに、夫を愛しているあなたへ

「暴力を振るわれたのに離婚できないなら、共依存だ」
そう言われることがあるかもしれません。

けれど、夫をまだ愛していること。
ここまで築いて来たことを壊したくないこと。
子どもや生活を守りたいと思うこと。
一度の出来事だけで夫のすべてを否定できないこと。

それだけで、あなたが病気だと決まるわけではありません。

私も当時、簡単には離婚を決められませんでした。

誰も本当の自分の気持ちを理解してくれる人は、周りにはいませんでした。

夫を愛していてもいい。
離婚を決められなくてもいい。
修復の可能性を考えてもいい。

誰も言ってはくれませんでしたが、今、私は経験者として、こう言いたいと思います。

「愛しているから殴られても仕方がない。私にも悪いところがあるから、殴られたのだ」とは考えないでください。

夫婦関係を修復できるケースは、確かにあるのです。

ただし、それは妻がさらに我慢して、夫に合わせるだけの結果ではありません。

妻が自分の安全と尊厳を取り戻した時に、初めて修復への道が始まります。

今は、人生の結論を出す時ではないのです。
まず今日、あなたが安全でいること。
そして、起きたことを受け止めて、結論を急がないことです。

夫婦を続けるかどうかを決めるのは、恐怖でも、世間でも、夫でもありません。あなた自身なのです。

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