DV・モラハラが繰り返される夫婦関係には共通するパターンがある
DVが起こる夫婦関係には、いくつかのパターンがあります。
もちろん、すべての夫婦が同じではありません。
暴力は決して許されるものではありませんし、
暴力を受けた側が悪いという話でもありません。
けれど、DVやモラハラが繰り返される夫婦関係には、
ある共通する「構造」があります。
その一つが、
依存・共依存タイプです。
DVが起こりやすい夫婦は「不安」でつながっている
このタイプの夫婦は、とにかく距離が近いのが特徴です。
けれどそれは、
安心できる愛の近さではありません。
相手がいないと生きていけない。 相手に見捨てられたら終わり。 相手が変わってくれないと、自分は幸せになれない。
そんなふうに、 自分の人生の中心が、 完全に相手になってしまっているのです。
モラハラ夫・DV夫が妻を支配しようとする心理
夫は夫で、
妻を自分の思い通りにしたい。
妻が自分から離れていくことを怖がっています。
妻が自分の意見を持つこと、
妻が自立していくことに
不安や怒りを感じるのです。
だから、怒鳴る。
責める。
脅す。
無視する。
時には手をあげる。
これは、愛ではありませんね。
相手を大切にする愛ではなく、 相手を失う不安からくる支配なのです。
DVを受けても離れられない妻の心理
一方で妻も、
本当はとても傷ついていて、
もう限界です。
それでも、
「私が我慢すればいい」
「私がもっと優しくすれば変わってくれる」
「私が怒らせたのかもしれない」
「この人には私しかいない」
「子どものためにも、私が何とかしなければ」
そう思って、
相手の機嫌を取り続けてしまうのです。
周りから見れば、 「なぜ逃げないの?」 「なぜ離婚しないの?」 と思われるかもしれません。
でも、当事者の心は、 そんなに簡単には割り切れません。
怖い。
でも、見捨てられない。
苦しい。
でも、まだ愛情も情もある。
この矛盾の中で、 心がどんどん疲弊していくのです。
共依存とは、「助けること」で自分の価値を感じること
ここで、絶対に間違えてはいけないことがあります。
DVは、受けた側が悪いのではありません。
暴力を振るう側には責任があります。
怒鳴る、脅す、無視する、支配する、手をあげる。
それらは、どんな理由があっても正当化されるものではありません。
ただ、関係の構造として見ると、 夫だけでなく妻もまた、 相手の感情や行動を背負いすぎていることがあります。
夫が怒るのは私のせい。 夫が暴れるのは私の言い方が悪かったから。 夫が変わらないのは、私の愛が足りないから。
そうやって、
本来は夫が背負うべき責任まで、
妻が背負ってしまうのです。
これが、共依存の苦しさです。
共依存とは「相手を助けることで自分の価値を感じること」
共依存とは、
ただ相手に依存することではありません。
相手を助けることで、
自分の存在価値を感じようとしている状態です。
そして、いつの間にか、
自分の人生を見失ってしまうのが特徴です。
夫は、妻を支配することで安心しようとする。
妻は、夫を支えることで愛されようとする。
夫は、妻が離れようとすると不安になり、
怒りや暴力で引き戻そうとする。
妻は、夫が荒れると怖くなり、
もっと自分が合わせようとしてしまう。
こうして、夫婦の中に、 依存と支配の関係ができてしまうのです。
DVのサイクルは「我慢」と「支配」で強化される
すると、どうなるでしょうか。
夫は、
「怒れば相手は言うことを聞く」
ということを学習してしまいます。
妻は、
「私が我慢すれば、その場は収まる」
ということを学習してしまいます。
こうして、
暴力やモラハラのサイクルが強化されていきます。
これはとても苦しい関係です。
愛がないわけではありません。
むしろ、愛はあるのです。
情があるからこそ見捨てられない。
家族だからこそ簡単に切れない。
子どもがいるからこそ、簡単に決められない。
だからこそ、
「離れればいい」だけでは済まないのです。
離婚したくない、でもこのままでは苦しいあなたへ
周りの人からは、
「そんな人とは早く離婚しなさい」
と言われるかもしれません。
なのに、 「離婚したくない」 「でも、このままでは苦しい」 という方もいると思います。
子どもを守りたい。 でも、家庭を壊したくない。
夫を憎みきれない。 でも、もう傷つきたくない。
その矛盾の中で、 心が引き裂かれていませんか?
DV・モラハラ関係から抜け出すために必要なのは境界線
依存・共依存タイプのDV関係から抜け出すために必要なのは、 いきなり離婚を決めることだけではありません。
まず必要なのは、
境界線を取り戻すことです。
夫の感情は、夫のもの。
夫の怒りは、夫の責任。
夫の飲酒は、夫の課題。
夫の暴力は、夫の責任。
そして、
私の人生は、私のもの。
私の心は、私が守るもの。
私の身体は、私が守るもの。
子どもの安全は、私が本気で守るもの。
この境界線を、
少しずつ取り戻していく必要があります。
夫を変える前に、自分の人生の主導権を取り戻す
相手を変える前に、
まず自分の立ち位置を変える。
相手を恐れて動く人生から、
自分の内側の軸で選ぶ人生へ。
そこに入った時、 夫婦関係は少しずつ変わり始めます。
DVがある夫婦の本当の再構築とは
DVがある夫婦関係は、 ただ「夫が変われば終わり」ではありません。
そして、
「妻が我慢すれば続く」ものでもありません。
必要なのは、
夫婦の中にある依存と支配の構造を見抜き、
そこから一歩ずつ抜け出していくことです。
あなたが悪いのではありません。
でも、
あなたは今、もう一歩先へ進まなければなりません。
それは、
夫を思い通りに変えることではなく、
あなた自身が、自分の人生の主導権を取り戻すことです。
そこから、
本当の意味での再構築が始まります。