子どもが巣立ったあとの熟年離婚や生活の不安にお悩みですか?年金分割などの現実的なお金の知識を整理し、過去の傷つきと向き合いながら自分の心を守り、これからの生き方をご自身で選ぶための夫婦再構築のヒントをお伝えします。
子どもの自立後、夫と二人で生きていく自信がない人へ
子どもが小さいうちは、
「子どものために離婚しない」と決めて、頑張ってきた女性は多いと思います。
長い結婚生活の中で、夫の不倫があったり
モラハラで傷つけられてきて
何度も離婚を考えたけれど
子どものことを想って
「経済的に困らせたくない」
「父親を奪いたくない」
と、自分の気持ちを後回しにして来たのですよね。
そして、子どもが成長し、進学して家を出たり、就職したり、結婚したりして、
「子どものために」という
大きな理由がなくなるタイミングが来た。
そんな時、ふと、こんな不安が心を占めることがあります。
「私は、この人とこれから二人で生きていくの?」と。
更に、50代、60代になってくると、お金の不安も襲って来ます。
今さら別れたとしても、
生活していけるのだろうか?
老後資金は?
今度は、
「子どものために離婚できない」
という理由から、
「お金のために離婚できない」
という理由へ変わって行く人も本当に多いのです。
でも、ここで一度、
立ち止まって考えてみませんか?
「子どものために」と生きて来た人生が終わったあと、今度はお金のために、残りの人生も我慢するのでしょうか。
もちろん私は、
「嫌なら、離婚すればいい」とはまったく思いません。ただ、
「私は、この先どう生きたら幸せなのだろう」
というところまで、
一度きちんと考えてみてほしいのです。
熟年離婚したら年金はどうなる?
「離婚しない方が得」とは限らりません。
ここで、少し冷静に、お金の話をしておきたいと思います。
「離婚したら夫の年金が全部もらえなくなる」
と思っている方もいますが、
それほど制度は単純ではありません。
日本には、離婚時の年金分割制度というものがあります。
これは、婚姻期間中の厚生年金記録を一定の割合で分ける仕組みです。
合意分割では、夫婦の合意、または裁判手続きによって按分割合を決めます。また、一定の条件を満たせば、相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割することもできるのです。
ただし、
夫が受け取る年金をそのまま半分もらえるのか、と言えばそうではありません。
分割されるのは、婚姻期間中の「厚生年金の記録」で、婚姻期間や
夫婦それぞれの厚生年金加入歴や
収入などによって、
離婚後に受け取る年金額は変わります。
また、年金分割の請求期限は原則として離婚をした日の翌日から5年以内というように、期限もあります。
ですから、
「離婚したら年金がなくなるから無理」とも、
「年金分割すれば絶対大丈夫」
とも、一概には言えません。
さらに、
夫の老齢厚生年金に配偶者の加給年金が付いているケースでは、離婚によって生計維持関係がなくなると、その加給年金は加算されなくなります。
つまり、
離婚しない方が経済的に得なのかどうかは、その人によって全然違う違う、ということです。
だからここは、
イメージだけで決めずに、
年金事務所などで年金分割について確認してみるといいかもしれません。
また、自分の年金見込額を調べてみると同時に、貯金、退職金なども数字にしてみると
漠然とした不安が払拭できることもあります。
裁判所の離婚調停でも、
財産分与、慰謝料、年金分割などを併せて話し合うことができます。
夫と一緒にいることが、息も出来ないほど苦しく、病気になる一歩手前であるのに、
「経済的に不安だから離婚できない」と思い込んでいるなら、
一度
本当に離婚できないのかを数字で確かめることは、大切なプロセスだと思います。
怖さの中にいると、
「絶対無理」と感じてしまいますが、
調べてみたら、離婚しても生活できる可能性が見えて来ることもあります。
逆に、
今離婚するとかなり厳しい、という結論が見えることもあるかもしれません。
どちらでもいいのです。
現実を知った上で選ぶことと、
怖くて何も知らないまま留まることは、まったく違います。
夫婦再構築とは「夫を変えること」ではなく、自分の心を自由にすること
お金の問題をある程度整理したら、もう一度、
「私は本当は、どうしたいのだろう?」
と自分に聞いてみてください。
本当は離婚したいのか。
それとも夫婦を続けたいのか。
今はまだ結論を保留したいのか。
「結論を保留」でもいいのです。
長い間、夫の不倫やモラハラで傷ついてきた妻は、心の中に
「あの時あんなことをされた」
「あの言葉だけは許せない」
という思いが、たくさん残っています。
それを無理に
許そうとしないでください。我慢になったり、本音に蓋をすることになるからです。
でも、ここで別の方向から
夫を見てみることも出来ます。
夫婦関係再構築ワーク
ノートを一冊用意して、
「これまで夫にしてもらったこと」
を書き出してみてください。
本当に小さなことで構いません。
子どもが病気の時、病院へ車を運転してくれた。
重い荷物を持ってくれた。
住宅ローンを払い続けてくれた。
家族旅行に連れて行ってくれた。
子どもの運動会に来てくれた。
私が具合の悪い日に何か買ってきてくれた。
笑わせてもらったことがあった。
一緒にいて、安心した瞬間があった。
もちろん、
夫から傷つけられた事実を
なかったことにしなくて良いのです。ただ、人間の心たは、傷つけられたことや、悔しかったことに意識が向きがちです。
だから、あえて、
「してもらったこと」にも光を当ててみる時間もとってみませんか。
私は、夫婦関係がどん底だった時期に、夫にしてもらった事を数えてみるワークを、約3ヶ月間続けたことがありました。そうすることによって、自分の心が、ものすごく救われる経験をしたんですね。
夫婦関係の再構築とは、
夫の性格を変えることでもなければ、
謝らせて、改心してもらうことでもありませんでした。
過去を清算して、
二度と傷つけられたことを思い出さないように蓋をすることでもありません。
こちら側の心のスイッチが、
ポンとひとつ切り替わるだけで、
同じ夫、同じ家、同じ生活なのに、
自分の心だけが、ふと楽になることがあるのです。
「この人は、
私を幸せにしてくれなかった人」
という見方だけだったところに、
「この人がいて助かったこともあったな」
という視点を増やすだけです。
それだけでも、
心の中に温かい変化が起きるのです。
まずは3週間、毎日10個ずつ
夫にしてもらった事を思い出して、ノートに書き出してください。
我慢して、やらなければならない
ということではありません。
自分の心を幸せにするためと思って、やってみてください。
暴言や支配を受け続けながら、
「感謝しなければ」
と無理に自分に言い聞かせる必要はありません。
離れた方がいい場合もあります。
「離婚するのが正解」
「夫婦再構築が正解」
という答えを探さないで、
自分がこれからの人生を
どうしたら、穏やかな気持ちで生きられるのか。
そこを探して行きましょう。
子どもが自立した今、もう「子どものため」という理由はなくなりました。そして、「お金の不安」だけで心を縛りつけるのも、なしにしましょう。
これまでの夫婦生活の中にあった、傷ついたこと。
反対に、夫にしてもらったことや
助けてもらったこと。幸せだったこと。
そして、これから自分がどう生きて行きたいか?も
全部を一度テーブルの上に出してみて、その上で、
私は、この夫ともう一度関係を築いて行きたいのか。
自分自身に問うてみてください。
夫婦再構築とは、
自分が自分の人生を選べる状態になるところから始まるのです。