面前DVで自分を責める母親へ|子どもの心を守る方法

コラム

面前DVに悩み自分を責めていませんか?夫の暴言や暴力は妻の責任ではなく夫自身の課題です。本記事では当事者の体験を交え、子どもに「あなたは悪くない」と伝える重要性と、自責を手放し母子の心と安全を守るための考え方を解説します。

面前DVとは?

子どもに直接暴力を振るっているわけではないから、虐待はしていない。

そう考えている親は少なくありません。

そして同時に、
「子どもの前でケンカはよくない」と分かっていても、
どうにもできない状況にいるお母さんも多いのではないでしょうか?

夫が突然激昂する。

怒鳴る、物に当たる、威圧する。
そして、暴力を振るう。

夫婦喧嘩を避けようとして
その場で何とか夫の怒りを止めようとしても、かえって火に油を注いでしまうこともあります。

怖くて動けない。

どうしたらいいのか分からない。

そんな状況の中で、
「子どもに見せてしまった」
と、自分を責めているお母さんもいらっしゃいます。

そんな方に、まず知ってほしいことがあります。

子どもの前で配偶者に暴力や暴言、威圧的な態度を見せることを「面前DV」と呼びます。

「面前DV」は、子どもに対する心理的虐待です。

面前DVは、
「お母さんの努力不足」
で起きているわけではありません。
どうか自分を責めないでくださいね。

当事者だからわかる「大切なこと」

私は20年前、まさに当事者でした。

我が家の場合は、長男に対しては、直接的な暴力もありましたが、
夫本人は、「躾をしているだけ」という認識でした。

私は「しつけにしては、行き過ぎ」と感じて、
長男が殴られそうになるたびに「やめて!」と間に入っていました。

その行動はかえって夫の怒りに火をつけました。

そして、私に対する身体的なDVに発展し、長男への暴力も、さらに激しくなることもありました。

当時は、「私のせいで悪化させてしまったのではないか」と何度も自分を責めていました。

「もっと上手くやれば防げたのではないか」
そんなふうにも考え続けていました。

ところが、大人になった長男は、私にこんなことを話してくれました。

「自分は悪いことをしたんだから、制裁として暴力を受けるのは当然だと思っていた。
だから、ママはお願いだから心配しないで!
間に入って来たら殴られちゃうんだから、止めに入らなくてもいいんだよ!と思っていた」

この言葉を聞いたとき、
「子どもはそんな風に思っていたのか」と、胸が締めつけられました。

子どもは、「お父さんが悪い」とは思わず、
「自分が悪いから叩かれているだけ」
そう受け止めていたのです。

これが、面前DVやDV家庭で育った子どもの心に起こりやすいことかもしれません。

子どもは大人が思う以上に、自分を責めているんですね。

「自分がいい子なら、お父さんは怒らなかった。」

そんなふうに、自分の責任だと背負ってしまうのです。

だからこそ、母親である私が子どもを守ろうとする態度は、とても大事だったと思っています。

「あなたが悪いわけではない」
と、はっきりと言葉と態度で伝えてあげるのが、何より大事でした。

たとえその場で状況が変わらなかったとしても、
「あなたは守られる存在なんだ」というメッセージは、
必ず子どもの心に残ると思います。

母親がうまく対応すれば、面前DVは防げるのか?

一方で、ここで多くのお母さんが苦しくなるポイントがあります。

「私がなんとかしなければ」

「私がうまく対応すれば、夫は怒らなくなるはず」

そう思ってしまうことです。

でも、当事者の私からはっきりお伝えします。

夫が激昂することを止める責任は、妻にはありません。

怒りをコントロールすること。

暴力や威圧で、まわりを動かそうとしてしまうこと。

それは夫自身が向き合うべき課題であって
どれだけ妻が努力しても、夫は変わりません。

そして、無理に止めようとすることで、かえって危険が増すことさえあります。

大切なのは、「どうやって夫を変えるか」ではなく、

自分と子どもの安全と心を守ることが、やるべきことです。

・危険を感じたら距離を取る
・子どもを別の部屋に移動させる
・いざという時に頼れる相談先を調べておく。

こうした準備は、必要です。

自分を責めなくていい

「私は十分やっていないのではないか」と自分を責め続けてはいないでしょうか?

あなたは、すでにその状況の中で精一杯やっています。

面前DVは、夫婦だけの問題ではありません。
子どもの人生にも深く影響を及ぼしかねない問題なのです。

子どもを守ることを諦めないでください。「あなたは悪くない」と
お子さんに伝え続けてください。

そして同時に、
「夫には夫の課題があり、
自分には自分の課題がある」という視点を忘れないでください。

怒りをコントロールできないこと。

暴力や威圧を使って、妻や子どもを思い通りにしようとすること。

それは、あくまで夫が向き合うべき人生の課題です。

そして母親であるあなたは、
子どもの健康と心を守り、
自分自身が幸せでいることが
あなた自身の課題なのです。

20年前、当事者だった私は、
今、同じ夫と穏やかに暮らしています。

それは私が変えたわけではなく、夫自身が向き合った結果でした。

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