九州男児だから?モラハラ夫になる育ちと家庭環境・妻の対処法

コラム

九州男児や時代のせいと諦めていませんか?夫のモラハラは男尊女卑の家庭環境や条件付きの愛情で育った弱さが原因です。背景を知れば夫の発言に傷つく必要がないと分かります。夫の支配から離れ自分軸を取り戻す具体的な対処法を解説します。

「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」昔は許されたモラハラ夫の言葉

「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」
「女は黙ってろ」
「女のくせに口答えするな」

夫から、こんなことを言われたことはありませんか?

今50代、60代の女性なら、一度や二度は夫から似たようなことを言われた経験がある人も、決して珍しくないかもしれません。

今なら、かなり強いモラハラ発言として受け取られる言葉です。

けれど、モラハラという言葉が今ほど知られていなかった20年、30年前には、夫が妻より上に立つことを「亭主関白」と呼び、それほど問題視されない時代がありました。

夫が外で働き、妻は家庭を守る。
夫が家の中で一番偉い。

妻は夫を立て、多少理不尽なことを言われても我慢する。

そんな夫婦観が、今よりずっと強く残っていたのです。

私自身も若い頃から、夫に「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ」と言われたり、今で言えばモラハラにあたるような言動に悩んだ経験があります。

友人に夫のことを愚痴ると、
「旦那さん、九州男児?」
と聞かれることがありました。

「うちの夫も九州だからわかる」
「鹿児島なの?それは大変だね」
そんな会話をしたこともあります。

私の夫は鹿児島出身です。

東京で育った私にとって、30年以上前の鹿児島で当たり前とされていた男女の役割分担には、驚くことがいくつもありました。

女性が家事や育児を担うのは当然で、男性は家庭の細かいことにはあまり関わらない。

親戚が集まれば、男性たちは座って飲み食いをし、女性たちは台所で料理を作り、片づけをしながら食事をする。

家の中での男性と女性の役割が、今よりずっとはっきり分けられていました。

そうした地域文化が存在していたことは確かでしょう。

しかし、
九州出身だからといって、全ての男性がモラハラ夫になるわけではありません。

同じ地域で育っても、妻を大切にし、対等に話し合いながら暮らしている男性はいくらでもいます。

では、夫が妻を支配し、人格を否定し、コントロールしようとするモラハラ夫は、どのように作られていくのでしょうか。

モラハラ夫はどう育つ?男尊女卑・長男優遇・条件付きの愛情

モラハラ夫の背景を見ていくと、いくつか特徴的な家庭環境が重なることがあります。

○男尊女卑の強い家庭

父親が家の中で絶対的な存在で、母親が父親に逆らわない。
父親が怒れば母親が黙り、父親の機嫌を損ねないように家族全体が気を遣う。

そんな家庭で育てば、子どもにとってそれが「普通の夫婦」になります。

夫は妻より強く、妻は夫に従うものだという夫婦関係を、本人も気づかないまま身につけていくことがあります。

○条件付きの愛情の中で育つ

「男なんだから弱音を吐くな」
「長男なんだから家を守れ」
「男なら稼いで当たり前だ」

そんな役割を強く押しつけられながら育つと、本人の中にも余裕がなくなります。

自分自身も「こうあるべき」に縛られているため、やがて妻にも「妻ならこうするべき」「母親ならこれくらいできて当然」と同じ厳しさを向けるようになるのです。

○男だから、長男だからという理由で特別扱いされて育つケース

姉妹には「女の子はどうせ嫁に行くから」と大学進学を十分に支援しなかったのに、息子には塾や浪人、都会での一人暮らしまでお金をかける。

食事でも、男の子には良いおかずを優先し、女性たちは後回しになる。

家事をしなくても誰も注意せず、身の回りのことは母親や姉妹がやってくれる。

そんな環境が長く続けば、「女性が自分の世話をするのは当然」という感覚が身につくことがあります。

モラハラ夫はどう育つのか?

家庭環境が男尊女卑ならば、必ずモラハラ夫になるのか?といえば、そうではありません。

同じ兄弟でも、一人はモラハラ的で、一人はまったく違うということも起こります。

同じ鹿児島出身でも、同じ家庭で育っても、妻を尊重できる男性はちゃんと育っています。

人間は、育った環境だけで決まるわけではありません。

その後、どのような人と出会い、どのような経験をしてきたかも大きく影響します。

学生時代や社会人生活の中で、自分とは違う価値観を持つ人と関わり、相手の立場を考える経験を重ねていけば、「自分の家の常識だけが正しいわけではない」と学んで行きますよね。

自分と違う意見を聞いても、「そういう考え方もあるんだ」と受け止め、
そうやって人は少しずつ、人間関係の幅を広げて行けるのです。

ところが、モラハラ気質になる人は、この柔軟さが十分に育たないまま大人になってしまいます。

自分と違う意見を言われると、否定されたと感じる。

妻から注意されると、馬鹿にされたと感じる。

妻が自分より楽しそうにしていると、置いていかれたように感じるようになります。

そうなると、自分を守るために相手を下げるしかない。

「お前には何もできない」
「俺がいなければ生活できない」
「お前は考えが甘い」

そう言って妻を小さくすることで、自分の立場を大きく見せようとする、モラハラ夫になってしまうのです。

モラハラ夫は、表面だけを見ると、自信満々で威張っているように見えます。
しかし、その奥にあるのは、本当の自信ではありません。

社会や職場、友人関係の中で十分に認められている感覚が持てず、自分自身の価値を安定して感じられないため、
家庭という閉じた場所の中で優位に立とうとしているだけ。

本当に自信のある人は、妻を下げなくても自分の価値を感じることができるはずです。

相手が意見を言っても、自分の価値が傷つくわけではありません。

妻を貶めないと保てない優位性は、本当の強さではないのです。

モラハラ夫は、実はどうしようもない弱さを隠している人でもあるのです。

夫がモラハラだと感じたとき、妻はどう対応すればいい?

自分の夫がモラハラ夫なのではないかと感じたとき、夫の生い立ちを分析することには、多少の意味があります。

日常的に自分を落とされる言葉を妻が浴び続けていると、自己評価がどんどん低くなってしまいますよね。

でも、
「こういう家庭で育ってきたから、妻より夫が上という感覚があって、
本人自身も、男は強くあるべきだと育てられてきたのかもしれない」

「会社で思うように評価されず、自分の存在価値を家庭の中で大きくしようとしているのかもしれない」

と背景を理解できると、必要以上に、自分を卑下しなくて済むようになります。

ここは、とても大切です。

夫に、
「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ」
と言われたとき、
「何よ!私だって家事と育児をしてきたじゃない!」
と、正面から戦う必要もありません。

夫の言葉を、そのまま自分の価値として受け取らないこと。
それが、モラハラ夫と対峙する上で最も重要なことなのです。

「この人は今、自分の優位性を確認したくて、こんな言葉を使っているんだな」

と、一歩離れて見る。

そのくらいの距離感が持てると、夫の言葉に振り回されなくなって来ます。

夫にも背景があり、傷つきや自信のなさがあります。
そこまで理解することはできます。
けれど
「そういう育ちだから仕方ない」
と、自分が傷つけられ続けることまで受け入れる必要もありません。

夫婦は、どちらか一方が我慢し続けて成り立つ関係ではありません。

夫が不機嫌になるのが怖くて何も言えない。

夫の機嫌を損ねないようにビクビクしている。

そんな状態が続いているのなら、

モラハラ夫を変えることより先に、自分の感覚を取り戻すことが必要かもしれません。

私は何を嫌だと感じているのか。
私は本当はどうしたいのか。

そこを自分の中ではっきりさせていくと、夫の言葉に全部飲み込まれなくなります。

夫の背景を理解しながら、夫の価値観の中に飲み込まれないこと。

それが、モラハラ夫との関係を考えるときの最初の一歩になります。

九州男児だから仕方ない。
昔の男だから仕方ない。

そうやって地域性や時代のせいだけにしてあきらめなくても良いのです。

夫婦の間に対等な関係と
真心の愛があるかどうか?

嫌なことを嫌だと言えるか?

違う考えを持っていても、人格まで否定されないか?

幸せなパートナーシップを築く上で、とても大事なポイントだと思います。

「うちの夫も、まさにこれです」
という方がいらしたら、ぜひ一度お話聞かせてくださいね。


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