「十牛図」って、ご存知ですか?
私が知ったのは、大学の時。
当時茶道部で、禅寺で合宿したことがあったんですね。
その時に、襖に描かれていた不思議な絵が、十牛図でした。
「これは、悟りを得る段階を描いている」と、そのお寺の住職は仰られたのですが、あまり意味がわかりませんでした。
「悟りが牛で表現されていて、
自分は少年。
悟りを得てゆく過程が
10段階に描かれている」と聞きました。
大学の頃は、頭でしか理解できなかったのですが、でも、今は十牛図を見て
私がして来たカウンセリングと、ぴったり重なった気がしたのです。
- 夫の不倫が発覚
- 夫にモラハラされていると気づいた
- 夫婦関係がうまくいかなくなった
こんな時多くの人はこう考えます。
「どちらが悪い?」
「どうすれば元の仲良い状態に戻れる?」
でも、長年カウンセリングをしてきて思うのは、
夫婦問題はどちらが悪いか?を判断したり、
「解決するもの」というより、
自分の魂を成長させるプロセスなのではないか
ということです。
ここでは、禅の教えである
十牛図を使って、
私のやっている夫婦関係カウンセリングの地図を
ひとつの読み方としてお話しますね。
十牛図は、夫婦関係としても読み替えることができると思います。
- 少年 = 妻(自分)
- 牛 = 夫(関係性そのもの・投影された他者)
とみてください。
そして、これを、悟りの物語ではなく、
夫婦関係を通して自分の魂を成長させて行く10のプロセスとして
見ていきましょう。
① 尋牛|混乱と問いの始まり
夫の不倫。または、夫の暴力やモラハラ。
夫婦関係がうまくいかなくなり、
「どういうこと?」と夫婦関係を通して世界全体が揺らぐ時期があります。
妻の心は、不安、混乱、先が見えません。
多くの妻はここで
「相手が悪い」「自分が悪い」に意識が飛びがちです。
でも、ここで
“探す”という道を選択をする人がいます。
探すとは、
とても深い愛の選択なのです。
② 見跡|構造を理解し始める
次に、絵で少年は、牛の足跡を見つけます。
これは問題の根源を辿り始める時期が訪れです。
• 私が我慢しすぎていたのかもしれない
• 夫に依存しすぎていたのかもしれない
どちらが悪いか?の議論でも、原因探しでもなく
「うまくいかなくなった構造」を理解する段階。
この時点で、
夫はもう“敵”ではなくなっていますね。
③ 見牛|本音に気づく
さらに、この牛を見つける段階に来ると、
夫を理解しようと思うと同時に、
自分の本音にも触れ始める時期に突入します。
なぜ私は認められたかったのか?
なぜ犠牲にならなければ愛されないと思っていたのか?…など。
ヒプノセラピーで潜在意識に触れたり、
前世療法などが手掛かりになることもあります。
相手を受け入れようとするのと連動して、
自分の深い思い込みが見えてくる段階です。
④ 得牛|関係を取り戻そうとする
トライアンドエラーの時期。
夫に対しての、妻としての態度をを変える。
視点を変える。
感謝や尊敬を伝える。
自分の言葉と行動を、現実的に変化させて行く時期です。
「新・良妻賢母のすすめ」の実践をする時期でもあります。
夫のありのままを受け入れようと奮闘する時期です。
失敗もします。
元に戻ることもあります。
それでもここは、
「愛そうとしている自分」を思い出す大切な時間です。
⑤ 牧牛|関係が安定する
次に、相手を支配するでも、
我慢するでもない
夫と手を繋ぎ、これからの人生も
共にやって行く、という流れになるのがこの時期です。
相手の性質を理解し、受け入れ、
何があっても、決裂せずに関係を扱える状態がやって来ます。
この頃には、
「夫をどうにかする」よりも
自分の人生の舵が自分に戻っていることに気づきます。
自分軸が出来てくるのが、この時期の特徴です。
⑥ 騎牛帰家|安心と安定
安心感と安定感の世界です。
牛の上に乗って家に帰るが如く、
妻は夫を信頼し
もう手綱を握る必要も
疑う必要もない段階。
皆さん、ここの幸福感を目指して
再構築を頑張られますよね。
無理なく
「幸せだな」と自然に感じられる時期です。最高な瞬間です。
でも、これが最終地点ではありません。ここから先が、まだまだ長いのです。
⑦ 忘牛存人|夫婦の悩みが消える
ふと気づくと、
夫のことを、もう考えなくなっている時期に入ります。
もはや気を遣わなくても、穏やかな関係性が定着しているからです。
今度は、ひたすらに自分のこと。
自分の人生のことを考える時期がやって来ます。
• 私はこの人生で何を学んだのだろう?
• これからどう生きたいのだろう?
自分の生まれて来た意味や、人生の使命について一人考え、意識が、人生全体へ向き始めます。
⑧ 人牛倶忘|空(くう)
ここに来ると、
夫への執着も、
自分がどう世間で認められるか?と言ったエゴの問題も、
薄まり、やがて消えて行きます。
魂には、ただ静かな愛があるだけです。
もう、何が起きても、
問題として扱わない「在り方」の状態になっているのがこの時期です
⑨ 返本還源|感謝の世界
自然の絵が描かれています。
美しい、自然があることに感謝。
夫婦問題が起きたことにも感謝。
遠回りした時間にも感謝。
存在に感謝。
生かされていることに感謝。
自然に、環境に、ただただ感謝。
これは
夫の悪いところが直って、
良い人に変わったからでもなく、
また自分の悪かったところが
改まって、良い妻になれたからでもなく
もはや、修復できた、
再構築できた、出来なかったに関わりなく…
自分と世界が対立しなくなった状態を表現しています。
悩んでも、迷っても
全部感謝に繋がる世界です。
⑩ 入鄽垂手にってんすいしゅ|日常へ帰る
市場で、買い物をする少年の絵が描かれています。
最終的に人は、
「ただ生きる」ために、
買い物をして、食料を得て
食べて生きて行く。
洗濯をして、
ご飯を作って、
笑って、ときどき疲れて。
市場とは、人々の中で、ということです。
いろんな人がいる中で
生活を送る、というところにまた帰って来るのです。
悟りも成長も、
特別な顔はしてないんですね。
ものすごい人並外れた、
豪華で立派な生活をする!ということでもありません。
周りの人の中で平和に心穏やかに生きていく。
それが、完成なのです。
きっと、今の文章を読んで、
「え?⑥で終わりじゃなかったの?」と驚かれた方もいるかもしれません。
そうなんです。
夫婦再構築を目指して、
再構築出来て幸せ♡が終わりではないんです。
夫婦関係がうまく行かなかったことは、
「失敗」でも「間違い」でもありません。
それは、
自分の魂を成長させるためのプロセスだった…ただ、それだけです。
その成長も、一巡りしてしまえば、そんなに大袈裟なことではないように見えるのです。
けれど、物凄く大きなこと、とも言えるのです。
もし今あなたが
①〜④あたりにいるとしても、
焦る必要はありません。
そして、再構築出来ずに
「離婚」という道を通ったとしても
何の問題もありません。
道はちゃんと最終地点の⑩へと繋がっています。
逆に、自分はもう夫婦の悩みはないから⑥〜⑦まで来ている!
と慢心すると、
あっという間に意識レベルは下がってしまうんですね。
エゴや執着、感謝できなくなる心の苦しみは、一度夫婦がやり直せたとしても、寂しさや不安はすぐに戻ってしまうものなのです。
いかがでしょうか?
「十牛図」…なかなか奥が深いですよね。そして、ここまで読み進められたあなたは、十牛図が人生の地図であることが、何となくでも
わかったのではないかと思います。
この、人生の深淵な地図へのナビが芙蓉カウンセリングの核になっています。
夫婦関係の行き詰まりはもちろんのこと、
実親や義理親との関係、
子どもとの関係、
きょうだいの関係を通して
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